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旅の記録、日常の記録、ふと気になったものたちなど、そんなものを切り取ってみた
きみのためのバラ
なんだかどんよりと疲れて帰宅した。

だから、どっぷりと風呂に入った後、メイクイ茶(写真にあるような小さなバラの蕾の茶)を淹れて、キースジャレットを聞きながら読み始めたのが、池澤夏樹の『きみのためのバラ』。

初めて彼の文章に出会ったのは社会人になりたての頃。『夏の朝の成層圏』はいまだに持っている。それ以来、反戦関係の書物を除いて、ほとんど読んだ。

彼の文章が好きだ。

透明感や清潔感のある、そして騒がず静かでいて、芯には熱がある、そんな文章が、とても好みだ。

この短編集も、読み進むのがなんだかもったいないぐらい、文章が巧い。日常のほんの些細な出会いとかそんなことを書いているだけなのだが、ぐいぐいとその情景の中に引きずり込まれていく。

たとえエロティックな情景(全然関係無いが、僕は「エロい」という言い方があまり好きではない。エロティックという高尚で神秘な言葉が、なんだか陳腐で安物のように扱われているような気がしてならない。)ですら、月の光の下に静かに横たわっている高原の湖の様な、そんな静謐さを思わせる。

「きみのためのバラ」・・・この短編集最後の一編に付けられた表題。表題からして、とても好みだ。



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