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旅の記録、日常の記録、ふと気になったものたちなど、そんなものを切り取ってみた
しあわせの形
ねぼけまなこでブレバタの「あのころのまま」という曲を聴いていたら、会社に入りたての頃を思い出した。

僕の仲のよい友達のほとんどは、所謂自由業。フリーライターとかデザイナーとかチェリストとか。

彼らと会おうというと「水曜日の午後二時ね」なんて連絡が来て、その度に「そんな時間にサラリーマンがいかれるわけないだろ」と文句をいってた。そして目一杯のコンプレックス。

彼らは自分の夢を諦めずに自分の道を進んでいるという嫉妬の気持ちもあったんだろうな。

彼らに会うときスーツを一人で着込んでいる僕は、だから一人浮いてると勝手に思い込んでた。

それから十数年たったある日、作家になったライターの友達と都内のイタリアンでご飯を食べたときに彼に言われた。「俺さ、いつもお前がスーツ着て、仕事の話なんかするの見てて、なんか嫉妬してたんだよ、あの頃。」。

「自信がなかったんだよね。自分が進むべき道が本当にこっちでよかったのかってね。今なら引き返せるぞってさ。」

僕は思わず
そりゃ俺のセリフだよ、と彼にいった。あんなに自由だったじゃないか、と。

だって考えてみろよ。会社と違ってさ、誰も時間管理してくれないし、自分で全てやらなくちゃいけないんだぜ。日々の生活すら保証されてない。だからさ、颯爽と社会に貢献してるお前がほんと羨ましかった。

それから更に十数年たった今、僕は自分が歩いてきた道が自分にとっては間違った選択でなかったと自信を持って言えるし、彼らは彼らで同じように感じてるのだろう。

作家の彼は相変わらず結婚もせずに好き勝手してるのに本を何冊も出して、その世界ではそれなりに成功してる。

チェリストとして名前がしれてる奴、薬の開発に夢中になってる奴、会社を潰してしまったけどガハハハと笑って、新しいことをやり始めた奴。みんなそれぞれがそれぞれに幸せにやってる。

しあわせの形なんてひとそれぞれなんだよね。

それでも、もう一度人生がやり直せるなら、考古学者とか文化人類学者になりたいなと、今でも思ったりする。


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