FC2ブログ


旅の記録、日常の記録、ふと気になったものたちなど、そんなものを切り取ってみた
A BALLADSを聞きながら
jb20071218-02.jpg


毎朝、家の扉を閉め、階段をトントントンと駆け下りるようにくだり、外に出て一番最初にすることが「選曲」だ。

イヤホーンを耳に差し込んで、iPodのホイールをまわす。ずらずらと液晶画面に浮かび上がる様々なミュージシャンの名前。その中から、思いのままに誰を聞くかを選ぶのが、出勤時の最初の作業だ。

これはもう本当に毎朝の習慣。いってみれば朝一番の儀式みたいなものだ。

最近では、多くの場合、角松であったり柴咲コウだったり、ドリカムであったりすることが多いのだが、それでも本当にその朝の気分で何を聞くかが変わってくるから、我ながら面白い。

今はまだ暗い駅までの道の間、そしてかなり空いている通勤電車のかなでも、ずっとなっているいくつもの曲。その曲たちに、毎朝励まされて一日を乗り切っている。



このiPodは、のーとみさんから曲入りで譲り受けた代物なので、なかには絶対僕が選ばないようなミュージシャンの曲が入っていたりして、そんなものを時として選ぶのも面白い。

だって、青江美奈とか本城裕二(これは織田裕二の別名)とか渡辺満里奈が入っているんだよ。でも、そんな人たちの曲が時々めちゃくちゃヒットしたりする。

今朝も、なんだか分からないけれど、「浜崎あゆみ」の文字を目にして、思わず再生スイッチを押していた。「A BALLADS」という浜崎あゆみのバラードばかり集めたベストアルバム。

これがまた妙に今日の気分にあっていて、通勤電車の中で『浜辺のカフカ(下)』(村上春樹)を読みながら、ちょっとはまった。

あれ、浜崎あゆみって、こんなにうまかったっけ。

そう、いままできっと僕は浜崎あゆみって、ちゃんと聞いてなかったんだろうな。

そういうことってたくさんあるのかもしれない。興味が無いというだけで、取りこぼしているものが沢山在るのかもしれない。それは随分と、勿体無いことをしているのかもしれないと、そう思った。

もちろん、音楽とか、そういうのは個人的な嗜好に影響を受ける最たるものだから、人が「これは良いよ」と薦めてくれたものが、ちっとも心に響かないということはよくあること。

でも、だからといって、そういうものを最初から「スルー」してしまうことで、もしかしたら出会えたかもしれない「こと」や「もの」に、それまで出会えずにいたのだとしたら、やはりそれは随分勿体無いことなのだろう。

毎月20日の出勤日があって、毎朝少なくとも10曲の以上の曲を聴いているわけだから、年間にして単純計算しても年間で2400曲は聴いていることになる。もちろん週末だってiPod聞きながら本を読んだり、手帳に字を書いたり、PCいじくったりしているわけだから、実際にはもっともっと多くの曲を耳にしているのだろう。

その曲たちの中には何度も聴かれる曲も多いので、単純にそれだけの個別の曲を聴いているわけではないのだが、この曲数を増やしてみることは、もしかしたら、とても面白いことなのかもしれない。

これは、実は『浜辺のカフカ』を読みながら感じたことと同じ。

この一風変わった、でも、相変わらずぐっと引き込む文体(でも、どこかで相変わらず、「嫌い」という印象が拭えない)を読みながら、そこに出てくる様々な文学作品の多くを僕は読んだことが無いことを残念に思っている。

これはちょっと前に池澤夏樹のエッセイを読みながら感じていたことでもある。

この世の中に存在している億という書籍のうち、なんと多くを読んでいないことだろうと。その中には、きっと読んでいないことで損をしている本も多くあるのだろう。

夕べ、とある友人がメールで「千夜千冊」というサイトを紹介してくれた。かの松岡正剛氏の書評サイトだ。松岡氏の本は、まだ会社に入りたての頃に、ライアルワトソンとかジェームスラブロックとかの本とともに何冊か読んだ。

このサイトにずらずらと標記された本すら、僕は多くを読んでいない。なんと26夜目で初めて読んだことのなる本が登場している。それが、レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』であるということに、なぜ苦笑してしまった。

このブックリストの面白いところは、青木正児 『華国風味』、谷崎潤一郎 『陰翳礼讚』 、フリードリッヒ・マイネッケ 『歴史主義の成立』 などに混じってウィリアム・ギブスン 『ニューロマンサー』とか 大薮春彦 『野獣死すべし』 などが出てくるところだろうか。

いくつか読んでみたいという本もでていて、いわゆる羅針盤みたいなものにはなるかもしれない。でも、僕は昔からへそ曲がりだから、「夏に読む新潮の100冊」とか「サラリーマンが読むべき本100冊」とかそういうのに載っている本に興味を持ちながらも、違う本を選ぶ傾向があって(「このミス」だけはちょっと違う)、きっとここに掲載された本は、後回しになりそうだ。

いずれにせよ、音楽にしろ、本にしろ、もっともっといろんなものを吸収できたはずなのに、どうしてぼうっと一日を過ごしていることが多かったんだろうなんて、思ったりする。

毎日一冊というのは無理だとしても(もちろん電車の行きだけで読めてしまう本もあるが)、もう少しいろんな本や曲を自分の中に取り込んでみようかなと思う。そうすれば、そこには、思いもかけない大切な出会いがあるかもしれない。


以上が、今朝、浜崎あゆみを聞きながら、やっぱりぼうっと考えたこと(笑)。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック